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スピノサウルス。[恐竜図鑑]

スピノサウルス
Spinosaurus

水棲のスピノサウルスの画像
水棲のスピノサウルスの画像2
▲新たな発見を元に作成された2020年のスピノサウルス
科名
スピノサウルス科
分類
獣脚類、竜盤類、獣脚亜目、鳥獣脚類
生息地(発見地)
アフリカ(エジプト、チュニジア、モロッコ)
時代
1億3500万~9000万年前(白亜紀前期~中期)
全長
10~18m
体重
6~9トン
食べ物
繁殖形態
卵生
陸棲とされていた頃のスピノサウルスの画像3
陸棲とされていた頃のスピノサウルスの画像
陸棲とされていた頃のスピノサウルスの画像2
▲陸棲と考えられていた頃のスピノサウルス
人との比較
スピノサウルスと人
解説
スピノサウルスは今から約100年前の1915年にドイツ人のエルンスト・シュトローマーがアフリカで化石を発見した恐竜で、その後はドイツのミュンヘンにある博物館にスピノサウルスの化石が多く納められていましたが、第二次世界大戦の際の爆撃により、その殆どが失われてしまいました。
現在残っているスピノサウルスの化石の多くはアフリカ大陸のモロッコとチュニジアから見つかった歯などの断片的なものであり、爆撃により破壊された、世界にたったひとつしかなかったスピノサウルスの化石の代わるものは今でも発見されないままとなっています。

スピノサウルスの最大の特徴は背の部分にある、まるで船の帆のように見える大きな突起で、これは最大で高さが1.6mにもなる骨の列を皮膚と筋肉が覆う事によって形成されたものです。
また、頭部はまるでワニのような形をしており、大きさは約2mにもなります。これは獣脚類の恐竜としては最大級のものです。手のように見える前足もティラノサウルスなどと比べてるとしっかりとしている印象があります。

スピノサウルスの最大の特徴である帆のような部分の働きに関してはハッキリとは解明されておらず、鳥などに見られるような交尾期のディスプレイとしての役割だったとする説や体を温める為の器官であったとする説などがあります。

記載年は1915年で記載者はドイツの古生物学者エルンスト・シュトローマーです。

※2014年の9月にアメリカのシカゴ大の研究チームが骨格構造を調べた結果、スピノサウルスは陸上よりも水中での生活に適応していたのではないかという研究結果を発表しました。

※2020年にシカゴ大学のニザール・イブラヒムによって発表された論文によってスピノサウルスは殆どの時間を水の中で生活していたとする説が有力になりました。
水棲説の根拠としては新たに発見された後ろ脚の化石が浮力を調整する為に骨の中身が詰まっているという特徴を持っていた事や(陸棲の恐竜の後ろ足の骨は空洞がある)泳ぐのに適したオールのような形の縦長の大きな尾をもっていた事などがあげられます。(2枚目の画像にあるような形です)
この尾の形は水棲のワニなどに近い形で水中で尾を振る事によって大きな推進力を生む形状とあると言われています。

新たな発見によってスピノサウルスは初めて発見された水棲の恐竜であり、4本足で歩行する獣脚類としても初の発見となります。
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