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恐竜の絶滅 [恐竜図鑑]

恐竜の絶滅

隕石の衝突

巨大隕石の衝突

恐竜の絶滅は今から約6550万年前頃に起こった事が分かっていますが、原因を引き起こしたのは直径10~12kmにも及ぶ巨大隕石の落下によるものという説が最も有力な説のひとつと言われています。しかし、その隕石がひとつであったのか、巨大隕石の落下前後に複数の隕石が降り注いでいたのかはハッキリしておらず、その両方の可能性について研究が進んでいます。

巨大隕石の落下地点は現在のメキシコのユカタン半島にだと考えられています。この隕石のエネルギーは広島型原爆の10億倍と言われており、落下した場所には直径170kmのクレーターが出来たそうです。

この巨大隕石の落下によって衝突地点の半径1000kmの範囲にいた生物は、殆ど壊滅状態になったとされ、地球全体においても「大量絶滅」が起こりました。
大量絶滅は長い地球の歴史において複数回起こったと言われていますが、この白亜紀末期に起こった大量絶滅においては地球の生物の66パーセントが死滅したと考えられており、特に大型の動物は環境の変化に適応できず、壊滅的なダメージを受けたと言われています。
また、生態系の中では弱い存在であったカエルはこの極限の環境を生き延びたとされています。

巨大隕石が地球に直撃した直後はマグニチュード10の地震と大津波、大気圏を覆うほどの塵を生み出したとされ、通常の自然現象では考えられないような破壊力と、その後の大きな環境の変化をもたらしました。
しかし、恐竜が絶滅した明確な理由は今も分かっていません。以前は氷河期が訪れたという説がまことしやかに囁かれた事もありましたが、恐竜が絶滅したとされる白亜紀の終わり頃はむしろ温暖な気候であったようです。また、逆に温暖化が原因だとする説は北極や南極などの近くに生息していた恐竜が死に絶えた理由が説明できません。

※2014年追記 2014年の3月に恐竜が絶滅したのは隕石の落下によって降り出した酸性雨が原因である可能性が高いという研究結果を千葉工業大学などがまとめたそうです。

火山の大噴火

火山の大噴火

白亜紀の終りごろに極端に活発になった火山の噴火が絶滅の原因とする説もあります。この説に関してはインドで痕跡が見つかっているという事もあり、有力な説のひとつとなっています。
火山の噴火が恐竜の絶滅に結び付いた原因としては火山が噴火したことによって大気中に大量に巻き上げられた粉塵が長い間、太陽光を遮る結果となり、太陽光を必要とする多くの植物が枯れて植物食恐竜が絶滅し、植物食恐竜を餌としていた肉食恐竜も続いて絶滅したというものです。
しかし、火山の噴火で世界中の恐竜が絶滅するほどの影響を与えるには数千年にわたって大規模な噴火が起こらなければならないのであり得ないとも言われています。

大洪水

大洪水

大洪水が原因となって絶滅したという説も可能性として考えられています。この説によれば巨大な彗星が地球に過剰に接近し、その影響を受けた月が地球に接近した事で月にあった水が、より引力の強い地球の方に引っ張られて移動し、とてつもない洪水が起こって絶滅したという説です。
この説に関しては確定的な痕跡などは見つかっていないようです。

ウィルス

伝染病

伝染病が原因で絶滅したという一般的にはあまり聞きなれない少し変わった説もあり、この説では恐竜に対して非常に強力な感染力を持つ致死率の高いウイルスが世界中で蔓延し、絶滅したとされています。しかし、当時の恐竜の生息地は海を隔てた島などにまで広がっていた為、そのような隔離された場所に住んでいた個体にまで一斉に感染するのは難しいのはないか?という反論もあります。

過度の温暖化

過度の温暖化

過度の温暖化が起こって気温が上がりすぎた為、絶滅したという説もあります。この説は南極や北極などの気温の低い地域の周辺に生息していた恐竜の絶滅については説明ができないと言われています。
現在は巨大隕石の説が最有力とされていますが恐竜の絶滅については上記のように複数の説が唱えられている状況で今もって謎の部分が多い事からハッキリとした原因は分かっていません。研究が進み、明確な証拠が発見される事を待っている状況にあると言えそうです。

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